10kg超えポメ「はな」の災難

毎週4日ごとに実家に帰るたびに、
愛犬「はな」の体重が増えてるような気がする。
もうすでに10kgは超えてるから、
これ以上はいくら何でも増えんやろと思ってたら、
この前抱き上げようとした時あまりの重さに
腰をひねってしまい、
10日間ほど痛みが引かなかった。

胴回りの肉付きが半端なく、
毛皮の上からでもボテッとした体型がわかる。
試しにメジャーで測ってみたら、
な、なんと58cm!!

胴回り58cmのポメって…。

これはもうポメではない。

ポメラニアンと言えば
甘えん坊の性格といい、
小さくてちょこまかと動く様といい、
愛らしいワンちゃんの代表格ではないか。

ではこの物体はいったい何だ?
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世の中にコレより巨大なポメは存在するのか?

柴犬よりも大きいポメ。
体形のイメージは犬というよりもはや子熊?

まあそれはさておき、
飼い主の悩みなど知る由もなく、
ひとりでおもちゃで遊んでいる「はな」を残し、
私はキッチンで洗い物を、母は部屋で寛いでいた昼下がりのこと、

突然、

んぎゃぁーーーーー!!!!
と何とも形容しようのない、
断末魔のような悲鳴が響き渡った。

何事!と私も母もリビングに行ってみると、
ネズミ捕りシートに絡め取られ、
ドタバタと必死で格闘している「はな」。

実家の家は相当古くてネズミの被害に悩まされていた。
そこで、ネズミの通路である床の間の隅に
ネズミ捕りの粘着シートを設置していたのである。
プロ仕様の強力な粘着力のシートである。

これを設置する時、私も「はな」がいたずらしたら困るなとは思った。
そこで「はな」に、ここに近寄ってはいけないと言い聞かせたのである。
「はな」もめずらしくお座りをして、神妙な様子で聞いていた。
実際、「はな」は興味を示さず近寄りもしなかったので、私もすっかりシートのことは忘れていたのである。

ところが、好奇心に負けてついに手を出したようだ。

最初はチョン!と手で触ってみたところ、
ベチャとひっついて取れない。
無理にひっぺがそうとしてもう片方の手がひっつき、
焦れば焦るほど粘着シートが移動し、
もう自分の力ではどうしょうもない状態になって、
パニックを起こしたようである。

私と母が駆け付けた時には
B5サイズのシートを胸と腕に貼り付けてあおむけでバタバタしていた。
あばれる「はな」を二人がかりで押さえつけ、
強力に絡みついているシートをハサミで切り取るのだが、

近所の人から虐待を疑われるから
悲鳴はやめてくれ!
と「はな」を叱ったりなだめたりしながら
小一時間ほどかかって
何とかシートは剥がせたが、
粘着剤がきれいに取れず、
腹やら胸やら肉球やら、いたるところに黒いものがねちゃっとくっついている。
すぐさま「はな」を風呂場に引きずって行き、
シャンプーをするのであるが、
「はな」はシャンプーが大嫌い!
ついでにドライヤーも大嫌い!

普通の体形のポメを洗うのなら造作もないが、
体当たりで抵抗してくる10㎏を洗ったり、
ドライヤーで乾かしたりするのは大変である。
洗い終わたら私も床も水浸しになった。

「はな」はといえば
一目散に飛んで逃げ、
ベッドの下の暗い場所に入り込んで出てこない。
相当ショックを受けたようである。

しばらくして出てきても、呼んでも近寄ってこない。
もしかして私のことを、
立て続けに嫌なことをしたヤツと見なしているのかもしれん。

心外であるが「はな」に嫌われるのも困るので、
おもちゃで遊ぼうと誘ったり、
おやつを差し出したり、
一生懸命に機嫌を取る私であった。
けっ、あほくさ。

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洗っても黒いものがついている「はな」

コスパのいい仕事

フリーランスの仕事を廃業して以来、ずっと最低賃金で働くパートタイマーを続けている私であるが一年に一回程度の頻度で、思い出したように昔の知り合いから仕事の依頼が来る。
これがちょっとした小遣い稼ぎになるので、結構嬉しい。

今年もつい先ごろ、
とある英会話スクールのパンフレットを
作成する仕事を頂いた。
A4サイズ8ページの体裁で、ギャラは8万円。

私はコピーライターなので、
表紙と表4(裏面のこと)は関係なく、
実質6ページ分の文章を書けばいいだけ。
ページの単価は13333円ということになる。
これは今の時代からすれば、そう悪くないギャラだ。

私がフリーランスでやっていた頃は
大体2万円くらいが相場であったように思う。


時代が不景気になる前は、
フリーランスのコピーライターほど
コスパの良い職業はなかった。

何しろ元手も経費も要らない。
パソコンひとつあればできる。
30年ほど前となるとパソコンも無かったから、
原稿用紙と鉛筆だけでオッケー。

ちなみに私史上最もコスパが良かった案件は、
若い女性向けに新たに誕生した保険のポスター。
確か10文字程度のキャッチフレーズを書いて、
15万円のギャラを頂いた。
ひと文字1万5千円!

いくらバブルとはいえ、今考えても
ちょっと常識外れのギャラだと思う。

しかもこれは大阪での話で、
同じ条件で東京で仕事したら
軽く3倍は貰えている。

広告に関して言えば、
東京と大阪では雲泥の差。
惜しげも無く広告費を出してくれる
一流クライアントも、
それに応える一流クリエーターも
みんな東京に集中していた。

大阪なんかはしょせん単なる地方都市で、
そこでくすぶってるクリエーターも二流である。

まあ、そんなバブルの頃。
私、コピーライター時代の林真理子さんをお見かけしている。


その頃、大阪のとある百貨店の仕事をしていたのだが、ある時
プライベートブランドの婦人服のポスターを作成することになり、担当者がこう仰った。

「このブランドは当社も力を注いでいる。そこでコピーは、是非とも東京のメジャーなコピーライターにお願いしたい」と。

お前らレベルの二流じゃなく一流のライターに、ということで林真理子先生にダメ元で依頼したところ快く受けてくださったらしい。

林真理子さんといえば、『ルンルンを買ってお家に帰ろう』というエッセイが爆発的にヒットし、一躍、時代の寵児となられ、テレビにもバンバン出られていた。

さぞやイケイケの怖いお姉さまが来られるのだろうと思っていたら、とても腰の低い感じのいい方であった。

「コピーを書くにあたって、自分で着てみないとわからないので、一着買わせて頂きます」と、洋服もお買い上げになったそうだ。

そんな一流コピーライターがいったいどのようなコピーを書かれるのであろうかと、
私たち二流は嫉妬心半分、好奇心半分でポスターの刷り上がりを待っていたのであるが、
残念ながらどんなコピーだったのか記憶に留まっていない。

「ふ〜〜〜ん」と言った反応だったと思う。

が、

ギャラを聞いた時は
「ひえーーーー!!」となった。


東京と地方、
一流と二流の差をまざまざと見せつけられた瞬間であった。

昔々の、バブルの頃のお話しである。


バブルが弾けてからは階段を2段飛ばしで降りるようにギャラが下がり、もうコピーライターはコスパがいいとは言えなくなった(東京は知らんけど)が、何か今の方が「真っ当な仕事」という感じがする。


そうそう、今のパートは事務と接客が半々だが、恐ろしく暇な職場で、大半は好きなことをして時間を潰している。ほぼ放置状態だから気分も楽。
真剣に働いている実働時間を考えると、
最低賃金ながらめちゃくちゃコスパが良いと言えなくもない。

ルンルンを買っておうちに帰ろう (角川文庫 (6272))

ルンルンを買っておうちに帰ろう (角川文庫 (6272))

イメージとのギャップ

黒木瞳浅野ゆう子、美保純、大地真央樋口可南子戸田恵子大竹しのぶ氷室京介真田広之佐藤浩市村上弘明内藤剛志渡辺謙(敬称略)


いきなり何だ?と思われるでしょうが、今年還暦を迎える方も含めて60代の有名人を列挙してみました。


私、ポイントサイトで、ポチポチとアンケートをして
小銭をかせいでるんやけどね。
最近、年齢を意識したアンケートがちょくちょく届くようになったんよ。

グルコサミンのご存知のメーカーはどこですか?とか、膝痛や腰痛に関するサプリのアンケートが多くなったなと思ってたらこの前、


あなたのお使いの「かんたんスマホ
どのキャリアですか?
て、「かんたんスマホ」使ってる前提での質問が。


いやいやいや、


ふつうのスマホ使ってますけどっ!


世間の60歳てこんなイメージなんや〜〜。


あのね、黒木瞳佐藤浩市が、かんたんスマホ使ってるイメージありますか?


60歳て、会社勤めしてた人は
ちょっと前まで第一線でバリバリ働いてたやん。
なんか60歳でいきなり線引きされて
高齢者のカテゴリーに入れられるわけ?


と、このようにムカッとしてたんやけど、
これは私が独身で子供も孫もいないから、
自分の実年齢をしっかり実感できないのであろうか。

子供の独立とか、孫の成長を毎年、毎年目の当たりにしていると、自分の老いも素直に受け止められるのかもしれん。

などと思ってたが、どうもそうではないらしい。

ある生命保険会社が還暦を迎える人を対象に
意識調査したら、
男女共に半数以上の人が、
60歳という実感がないと答えたそうだ。

そして主観的な精神年齢を尋ねたところ、
その平均は何と47歳!という結果に。

つまり多くの60歳は、実年齢より
13歳も若い気分でいてるてことやね。

あ〜〜、それわかる。腑に落ちる。


私も自分の実年齢をうっかり忘れる、なんてことは無いが、気持ち的には47歳くらいの感覚である。

例えば服や小物などを選ぶ時に、
間違ってもシニア売り場なんかに行こうとは思わない。

だって私、47歳だもん!と脳を騙し騙し生きてるとでもいいましょうか。

47歳といえば、
おお!キムタクとか、藤木直人とか、
常盤貴子とかも同級生じゃん!

何をド厚かましいことゆーてんねん!!
と思われるでしょうね。
私の脳も同じように思ってるみたいです。

電車の窓とか、
お店のショーウィンドウとか、
予期せぬ時に自分の姿を見て
ギョッとすることが多々あります。

このババア、誰やねん!て、一瞬脳がパニックを起こすのは、47歳とのギャップについて行けないからやろ。

脳にしたら、
「いや〜〜、なんぼなんでも13歳もサバ読みは無理やで」てことなんやろなぁ。

わかった。
47歳は諦めよ。

そのかわり、私、
今年から年を取らないことに決めましたっ!

お誕生日が来ても60歳のまま。

いや、お誕生日を迎えんことにしよ。

ポイントは、単なるサバ読みじゃなくて脳を騙すということ。

脳てね、単純で言葉の影響を受けやすいねんて。

47歳は無理でも
「誕生日はまだ来てないで」て言うてきかしてると、
年を取れへんねんから「この状態をキープしなあかん」と考えてセロトニンだか何だか
若返りホルモンをバンバン出してくれると思う。

そう、新年の抱負は年を取らないこと。
そんで60歳のまま突っ走って、
数年後には大好きなキョンキョンと同級生になることにします。


脳を“だます”とすべてがうまく回り出す

脳を“だます”とすべてがうまく回り出す

  • 作者:三宅裕之
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2015/02/27
  • メディア: Kindle

名画の時間『アマデウス』

あけましておめでとうございます。
皆さま、お正月はゆっくりされてますか?

私の場合はおせちも食べない、
初詣も行かない、紅白は見ない、
年賀状もちょびっとしか書かないし来ない、
おまけに2日から仕事だしで、
年末年始の特別感は全くなし。

でもそれじゃ寂しいので、
なんかお正月に相応しい映画でも鑑賞しようかね、
ということで今まで観た中から
とっておきの1本、

モーツアルトの謎に満ちた生涯を描いた
アマデウスをチョイスしてみました。


ちょっと前にあるブロガーさんが、
死ぬまでに見たい映画というタイトルで、
これから見たい映画と、
おもしろかった映画を紹介されていて、
すっかり触発されたんよね。


ちなみに私の死ぬまでにもう一度観たい映画は、
スタンドバイミー
ブルースブラザーズ
シザーハンズ
ショーシャンクの空に
シンドラーのリスト
セントオブウーマン

(順不同)


じっくり考えたら好きな映画、
もっとあるやろけど
今パッと思いついたのはこれくらいかな〜〜。

まだまだ知らない名作はいっぱいだと思うので
死ぬまでにこれだけは観とけ!という
おススメがあったらぜひ教えてくださいませ。


で、アマデウスです。

1984年の作品

えー、こんな昔だったっけ?
印象が強烈だったんで、
比較的最近の作品だと思い込んでた。

あらゆる意味でものすご〜く贅沢な映画です。


ロケ地はチェコの首都プラハなんだけど、
19世紀ウイーンの宮廷シーンの何と華麗なこと。
そして全編に効果的に使われるモーツアルトの楽曲や、「フィガロの結婚」「魔笛」など劇中で挿入されるオペラの素晴らしさ。

クラシックやオペラにまったく無知な私でも、
その世界観にグイグイ引き込まれました。

物語は自殺未遂を図ったある老人の、
モーツアルトを殺したのは私だ」という告白から始まります。

オーストリア皇帝に仕えるエリート作曲家、
アントニオ・サリエリの視点から
描かれるモーツアルトは、
天真爛漫で思い切り下品で礼儀知らず。

しかしその才能は、
神から祝福されたとしか思えない。

この圧倒的な才能に出会ったがために、
自分の凡庸さを思い知らされることになるサリエリは、激しくモーツアルトに嫉妬します。

今まで己の才能に疑問など持たなかった人間が、自分の凡庸さに直面しなければならない。
それは自己が崩壊するほどのショックでしょう。

モーツアルトを殺したいほど憎み、
実際に抹殺しようとこころみる一方で、
その才能を他の誰よりも理解し、心酔し、
魂が震えるほどの感動を覚えるサリエリ

このね、演技力、
表裏一体の「愛」と「憎」の心の揺れを表現する演技力がほんとに見事なんですよ。


モーツアルトはトム・ハルス、サリエリ
F・マーリー・エイブラハムという俳優ですが、
監督はあえて無名の俳優を起用したんだとか。

メジャーな俳優だと、どうしてもその俳優が演じているモーツアルトサリエリになってしまうから。

そんなリアリティ(?)への徹底したこだわりが、(宮廷シーンとかその時代の風景とか生活とか含めてね)
独特の世界観になって観るものを魅了します。

実際に会ったことないから知らないけど、
モーツアルトってこんな人物だったんだ〜〜と
親近感が湧いてきて、
クラシックファンでもないくせに、
モーツアルトのCDをじっくり聴きてみたい気になりました。



ほんとに素晴らしい作品ですので、
まだご覧になってない方はぜひ!

アマデウス(字幕版)

アマデウス(字幕版)

  • 発売日: 2016/10/31
  • メディア: Prime Video

ポメなのについに10kg超え❗️

今年のクリスマスは実家に戻る時期とかさなったので、
93歳母と2歳ポメチワ「はな」と過ごすことになった。

一応クリスマスなので「はな」に
ぬいぐるみをプレゼントしてあげた。

「はな」はぬいぐるみが大好き!
私の手から引ったくって
すぐさま鼻面をくわえてブンブン振り回し、
次は床に思い切り叩きつけてしばき倒し、
前足で踏みつけて遊ぶ。


多分、狩をしているつもりだろうと思うが、
ものすごく荒くたい。
ひとしきりブンブン、バシバシした後は
腹をかっさばいて中の綿を全部引き出し、
ペッシャンコにして終了。

よく持って3日、
早ければその日のうちにオシャカにしてしまうので、
あまり高い物は買えない。
あと、ピーピー音が出るおもちゃも
すぐに笛の部分を噛みちぎってしまって
音が出なくてなってしまう。




この前から「はな」を抱き上げたら、
手がつるようになってきた。
私の筋力が衰えてきたのかと思ったが、
どうやら「はな」の体重が増えたようである。

そう、ついに10kg超え❗️

今まではなんとか10kgで収まってたので、
ギリギリ小型犬の範疇だったが、
11kgに近いともうどう見ても中型犬だ。

2歳になっているので成長は止まっているから、増えた分は肥満ということになる。
試しに背中をつかんでみると、
ムギュッと肉がつかめる。

寝そべっている姿を見ても、
腰の肉付きは中年のオバはんみたいだ。



「はな」はポメとチワワのミックスだけど、
双方の愛らしいところは受け継がず、
ポメのワガママさやチワワの攻撃性など
悪いところばかりが特出してるようだ。

「はな」のお気に入りは
散歩、ご飯、おやつ、おもちゃ、マッサージ。
それ以外はみんなキライ。

シャンプーもブラッシングも雨の日にレインコートを着ることも、もう全身全霊で抵抗してくる。
巨大な体を使って体当たりをして暴れまわる。

頭なでなでもハグも鼻にシワを寄せて思い切り嫌な顔をする。

名前を呼んでも聞こえないフリをする。
たまに小馬鹿にしたような
鼻で笑うような表情をする。

育て方を間違ったのか?とも思うが、
前のマルチーズは大人しくて素直ないい子だったし、
その前のマルチーズも扱いやすかった。

母が実の孫のようにめちゃくちゃ甘やかすから、
どんどん増長してもう手がつけられない。
体罰はダメだとわかっているけど、
たまについ腹が立って
腰のあたりをペシと叩いたり、
横面を張り倒したりすると、
3倍返しくらいの勢いで歯向かってくる。

ポメを飼ってる人にお聞きしたい。
おたくのポメちゃん、どんな性格ですか?
きっと愛らしいよね?
飼い主に飛び蹴りや体当たりしないよね?
寝てる飼い主の顔にダイブしたりしないよね?

でも、たま〜〜に穏やかな時もある^_^

ギルティ・フリーのご褒美

普段は地下食品売り場に寄るくらいで
素通りしていたのであるが
煌びやかなディスプレイに惹かれてつい
フラっと足を踏み入れた梅田の阪急百貨店。

1階アクセサリー売場で
突然硬直状態になってしまった。

ほ、欲しい〜〜!!
そのキラキラしたもんが欲しい〜〜!!


自分の年齢などすっかり忘れて、
似合うとか似合わんとかの判断力も吹っ飛び、
物欲に火がついてしまった!

ハイブランドと比べたら1階のアクセサリーなど
大したことないかもしれんが
今の私の給料(13万円)ではとても手が出ない。

頼みの貯金口座には残高8万4千円ぽっち。
ちょっと前に記帳してきたので間違いはない。
しかもこれからマンションの管理費や光熱費が引き落とされるので実質、
私のお金は5万円くらいである。

う〜〜む。60歳の持ち金が5万て…。
小学生でもお年玉貯金をもうちょっと持ってるやろ。

普段ならこんな分不相応な物に惹かれたりはしない。
が、今はホレ、時期が時期だし、
あの魔法のというか悪魔の言葉が
脳内でリフレインしてんねん。


頑張った自分に、ご褒美!

何をどう頑張ったのか、さっぱりわからんが、
ひっきりなしにささやきかけてくる。

まあ、金は無くとも買おうと思えば買える。

カードのリボ払いでも、
キャッシングでも、
あるいは定期を解約という手もある、

などと頭をよぎったけど、

どっちに転んでも激しく後悔することは間違いないと、
ようやく正気を取り戻すことができた。

ふう、もうちょっとで百貨店の
思うツボにはまるところやった。


一方でポイントサイトでチマチマと小銭稼ぎに精を出しながら、
他方で散財をしようとする、
このアンバランスさが自分でも恐ろしい。

頑張った自分に、ご褒美!

過去どれだけこのフレーズに踊らされて、
散財しまくったことか。

刹那的な感情に流されているだけなのに、
本当はうしろめたいと思っているから、
自分にご褒美などと無理やり理由をつけているだけ。

ある通販サイトが、自分にご褒美を買った後、
その満足感がどれくらい持続するかアンケートを取ったところ、
大半が1日~1週間、
長くてもせいぜい2~3週間という結果が出たらしい。

自分の経験からしてもそんな感じやと思う。

買った時の高揚感はとっくに
なくなってるのに
カードの支払はいつまでも残ってる、
なんてこともしょっちゅうありましたわ。


ところで、今、
『ギルティ・フリー』て流行ってるやん?

主にスイーツなんやけど
砂糖やバターを使ってないから
ダイエット中でも食べられて罪悪感ゼロ。

自分へのご褒美も、
本当に頑張ってる人が、自分をねぎらうためとか、
これからもモチベーションをあげるために贈るなら、それはギルティ・フリーやと思う。

投資家でもあり、『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』等のベストセラー著者である俣野成敏さんは、
お金を使う時は人生の満足度に照らして考えるべきだと仰っている。


未来の満足のために使うのが「投資」

今の楽しみや維持のために使うのが「消費」

買った瞬間から後悔に向かうのが「浪費」


私のようにストレス解消のためとか、
その場の雰囲気に流されて
ついついお金を使ってしまうタイプは、

その買い物は自分にとって価値があるのか?
その買い物は自分を幸せにしてくれるのか?
と一度問いかけてみるのがいいやろね。










『自意識過剰』〜書評のようなもの〜

生まれ変われるなら、
ナルシストがいいなぁ、私。
だって楽しそうやん。
自分が大好きで、他者の目は一切気にならなくて、
自分だけで世界が完結してる。

鏡を見て一日幸せに過ごせるから安上がりやし、
街を歩けばショーウィンドウに映る
己の姿にうっとりできる。


他人が気にならないて、ほんまに自由やね。


若い頃は、いったい自分は人からどんな風に見られているのか、もう気になって気になって仕方なかった。

仕事関係の人からちょっと挨拶を交わす相手、すれ違いに目があった人まで、他者の視線にがんじがらめになってたような気がする。


よく「誰もお前のことなんか見てねえよ!」と言うけれど、それは違うと思う。

人は3〜5秒で視覚から様々な情報を得るらしい。

そう、5秒もあればこれくらいのことは読み取れる。


「若作りしてるけど、結構歳食ってるよね。手とかシワっぽいもん、なんかネイルがゴージャスやから余計目立つねん、あ、その服、体型カバーしてるつもりやろけど逆効果や、てゆうかそのコーデ、ありえんし。化粧もナチュラルぽい仕上げやけど、ちょっと不自然、優しそうに笑ってますけど口元イジワルそうやし、こいつ絶対性格悪いわ」


あ〜〜ホンマに自意識過剰は厄介!

そんなアホらしくも深刻な自意識の正体を鋭く分析しているのが、
酒井順子著『自意識過剰!』です。

『負け犬の遠吠え』が社会論争になるまで大ヒットしたけど、本書は著者がまだ27歳の時の作品である。

礼儀正しいデスマス調で、優しい文体なのに、
物凄い洞察力とイジワルな視点で、読み手をドキッとさせてくれる。
27歳の若さでこの分析力は恐ろしいくらいだ。

本書では自意識を、近くの視点・異性の視点・社会の視点・世界の視点から分析している。

私たちは誰も多かれ少なくれ自意識を持っている。普通はその分量を上手く調節し、他人に悟られないように生きているのであるが、油断をすると自意識が溢れて他人の目に晒されることになる。

若い頃の私もそうだったが、
自意識が最も過剰になるのは異性の目を意識した時ではないだろうか。

本書の異性の視点の中の「女を見る女」は特に興味深い。
男性におもねるが故の自意識過剰女は、なぜこれほどイラッとくるのか。

一例として紹介されているのが、
若い世代には馴染みはないだろうが、
安田成美が演じたお醤油のCMである。

「ねえ、薔薇って漢字書ける?私書けるんだよ」と無邪気に夫に自慢する可愛い妻。
比較的最近のCMで言うなら、
金麦の檀れいが近い。

言葉のチョイス、しぐさ、表情、声のトーン、その全てが夫(男)の目を意識し、
私って可愛いよねアピールである自意識がダダ漏れの女に対して、普通の女は容赦しない。

そのあざとさにムカつくのだが、
実はその感情は自分自身の自意識の裏返しであると著者は言っている。

つまり、
あんたみたいに可愛いかったら私だって男に媚びたいねん!
でもそれができひんから
私は女をアピールしないで自然体で生きていますみたいなフリせんとあかんねん!
と言うわけだ。

もちろん、この自然体も正真正銘の自意識過剰である。


自意識がなければもっとのびのびと生きられるのに、
自意識のお陰で嫉妬したり落ち込んだりと忙しい。

では、

他人にどう思われようが全く気にならない、
自分にしか興味がないナルシスト以外は、
自意識の呪縛から逃れられないのか、
というとそうでもなく、

私の場合はやっとこの年齢になって
自意識が薄れてきたように感じる。

もはや異性に媚びる必要もないし、
他人の目より自分の気持ちの方を優先できるようになった。

これがオバちゃん化ということであろうか。

そういえば大阪のオバちゃんも
自意識が薄いような気がする。
でないとパンチパーマにヒョウ柄の服なんかで街を歩けませんやろ。

着たい服を着る、言いたいことを言う、したいことをするけど、何か?
みたいな生き方は自由でええなと思う反面、
ある程度の自意識はストッパーの役目も果たしてるねんなと思うこの頃です。





自意識過剰! (集英社文庫)

自意識過剰! (集英社文庫)